コンセプト

What's REF ...?

REF lab. とは?

レフラボは、“visual philosophy"(ヴィジュアルで思考する)をテーマとして、日本発のグローバルな新しいメディア文化を創造し、確立することをミッションとするプロジェクトです。


そのために、現代性と思想性と創造性とを兼ね備えた、新たな文化のイニシアティヴ領域として、電子映像の芸術=「ヴィデオ・アート/ヴィジュアル・アート」を提案します。


私たちの社会はメディア社会、情報化社会といわれています。私たちを囲む情報が増大、多様化して、なにもかもが手に入るように思われます。しかし、決して何か満たされないようにも思います。それはなぜでしょうか。


わたしたちの生活に欠けているのは、そのメディア情報の「文化的価値」ではないでしょうか。では「文化」とは、何でしょうか。文化とは、水準が高く、後代に永く受け継がれてゆく、永続的なもののことです。


そして「文化的価値」とは、文化的なクオリティの高さと、商業的な価値の重なったもののことです。文化は、単なる商業的な価値にとどまることなく、時代を超えて消費されることのない価値を生み続けてゆきます。一方で、文化の創造と維持には、商業的な価値を文化に付与することも必要です。


ところで、文化的な価値がもっと純粋に現れ出たもの、それは「思想」であるといえるでしょう。古今東西、思想はさまざまな形で表現され、受け継がれてきました。そして近代においては、それはおもに活字と印刷術、つまり書物という形をとって現れてきたのでした。


そして現代、情報メディアの時代、わたしたちは電子映像という表現手段を手にし、それは書物に取って代わろうとしています。しかし、電子映像はまだ十分な文化性を獲得しているとはいえません。電子映像がこの時代を表現する文化となるために、わたしたちはまず、“visual philosophy”「ヴィジュアルで思考すること」が必要だと考えます。


レフラボは、二つの領域を中心にして始動します。一つは電子映像による新しい芸術の領域、ヴィデオ・アートです。もう一つはいままで文化・思想を主導してきた領域、書籍の編集・出版です。この二つを軸として、技術、デザイン、メディア、アート、アカデミズムなど、さまざまな動きを統合するイニシアティヴとなることを目指します。

Who's REF ...?

REF lab. MEMBERS

河合政之(ヴィデオアーティスト/オーガナイザー)

デヴィッド・エリオット(初代森美術館館長)に「日本の最もエキサイティングなヴィデオ・アーティストの一人」と賞賛を受けるなど、その哲学的で先鋭的な映像作品は高い評価を受け、世界30カ国以上で上映、NYクィーンズ美術館(アメリカ)や国立国際美術館(日本)などにコレクションされている。文化庁、ポーラ美術振興財団などの派遣芸術家としてNY、パリ、イスラエルに滞在。芸術・批評・思想分野の執筆、展覧会のオーガナイズなどもおこない、NPO法人ビデオアートセンター東京代表、映像祭「オール・ピスト東京」プログラムディレクター、オーバーハウゼン国際短編映画祭審査員などを歴任する。新しい時代のシーンを切り開く多才なアーティストとして各界から注目されている。

小倉 裕介(編集者)

1973年神奈川県生まれ。東京大学法学部卒業。1997年より2000年まで、アートフロントギャラリーにて「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」の立ち上げに従事。2001年より現代企画室に所属し、人文書、海外文学、芸術書の編集に携わる一方、「大地の芸術祭」サポータースタッフとして活動する。2008年に REF lab. の設立に参加。電子メディアにおけるアートや知のあり方を考察し、新たな形の出版実践につなげることを目指す。